牛乳なんてものは牛の尿みたいでなんか嫌だ。
卵は鳥の汚物みたいで嫌だ。
小麦粉なんてものも麦の花粉みたいで嫌だ。
蜂蜜も虫の唾液みたいで嫌いだ。

















































てくるのは
どろどろとした
感情だけで



























朝、いや今は昼かな、もしかしたら夜かな。目が覚めると脈がものすごい大きな音で打っていた。血液の循環が良くなったと思った。汚い菌を白血球が頑張って殺してる音だ!と実感した。よく聞いてみるとテンポ60で規則正しくて笑えた。いつからこんなに私の体は規則正しくなったのだろう…とよく考えたけれど、冷静になって考えれば安物の腕時計の秒針の音だった。時計の針は10時32分を指していたけれど午前か午後かなんて判らなかった。どうして白血球の頑張ってる音は判るくせに時間が判らないのだろう。私は頭が悪いのか?いや、私は昔テストで100点を取ったことがある。先生もママも賢いと言っていた。だから私は賢いのだ。






体を起こして居間に行った。もう何日眠っていたのかすら判らない。ママもパパももう私を駄目だと言って諦めた。私はもう駄目だなんて思った事はない。もう何も考えていないから。昔、宙に浮いているお皿のCMを見たことがある。中身はコンフレークだった気がする。もちろん牛乳をかけてあるのね。私はそれがおもしろくって仕方なかったので、コンフレークをお皿に入れて、たっぷり牛乳をかけて宙に飛ばしてみた。そしたら鈍い音と共にテレビに当たってコンフレークは地面に落ちた。カラカラとプラスチックのお皿が転がっていた。なんだ、あんなの詐欺じゃんか。テレヴィの中の不細工なアイドルがコンフレークまみれになった。いい気味だ。食べる気がうせた。






コンフレークが服について気持ち悪かったから洗うことにした。でも服を脱ぐのが面倒だったから、自分ごと洗ってしまえと思い、服を着たままお風呂に入った。お風呂のお湯は冷たかった。湯船にコンフレークが浮かんでた。それに牛乳が滲んで白くにごっていた。うわ、気持ち悪い。そして体に濡れた服がぴったりついていて少し気持ちが良かった。そしてそのまま湯船に顔を沈めた。目を開けたら髪が水で揺れているのが見えた。しばらくそのままでいたけれど、苦しくなって息を吸った。そしたら鼻から水が入ってきて余計苦しくなって顔を上げて咽た。私にはそんなに酸素が必要なんですか。別になくても生きていけると思っているのは私の心だけでしょうか。だって酸素っておいしくないじゃん。そうだ、私は深海に住む人魚なんだ!だから酸素なんてなくても生きていける!そうだ人魚は足に水がかかると毒林檎を持った継母がやってきて殺されてしまうんだ!このままじゃまずい!!!!そう思って急いで湯船から上がり足を念入りにバスタオルで拭いた。






びしょ濡れのまま居間に行った。髪や服から水がぽたぽた垂れた。さっきのコンフレークまみれの不細工なアイドルはもういなくて、代わりに今度はコンフレークまみれの政治家が税金だ、構造改革だ討論をしていた。本当におかしくておかしくてお腹を抱えて笑った。お腹が痛くなった。きっと盲腸だ!!!病院に行かなくてはならない!!!飽きたのでチャンネルを消したら真っ暗な画面にコンフレークまみれの私が映ってた。慌てて顔を荒いに洗面所に行った。そしたら隣からやかましいギターの音がした。下手くそなくせに大音量で弾いてる馬鹿な大学生のせいだ。この音が私をどんどん不快にさせた。ムカツイタカラ、窓を開けて隣の家の庭を目掛けてそこにあった漂白剤をブチまいてやった。犬にちょっとかかったらしくて、犬がくんくん吠えていた。いいザマダ。漂白剤をかけたらその茶色い犬も白くなるのだろうか。そっちの方が清潔感があっていいですよと買主に勧めてやろうと思ったけど、外に出るのは嫌だから諦めた。






びしょ濡れのまままたベッドにねっころがった。布団が濡れた。もうそれすらどうでもいい。また一眠りしようと思う。起きるのはいつだろう。明日かあさってか。それとも。またさっきのやかましい脈の音が聞こえた。切り刻んでしまおうと思ったけれどなんか面倒くさくてやめた。気分が優れないから台所に行って冷蔵庫を開けた。生臭い匂いがした。あ、豚や鳥の死体がたくさんある。死体に290円とか値段をつけて人間は相当馬鹿だと思う。私の死体はいくらで売れるだろうか。はたして誰が買うのだろうか(笑)牛乳なんてものは牛の尿みたいでなんか嫌だ。卵は鳥の汚物みたいで嫌だ。小麦粉なんてものも麦の花粉みたいで嫌だ。蜂蜜も虫の唾液みたいで嫌だ。だからこんな生臭い匂いがするんだ。こんな生臭い酸素を吸い込むと肺が腐ってしまう!血が濁ってしまう!急いで冷蔵庫を閉めた。そして中から酸素が漏れないように、ガムテープでしっかりと止めておいた。






そんな事を考えていたら、レンジの横に白いチョコレートがあった。規則正しい大きさ、グラムに切られていて、12個に分けて入っていた。なんだか少しだけ気分が良くなった。でも少し眠いからそれを持ってまた部屋に戻り布団にベッドに横たわった。箱を開け袋を破ると一瞬にして甘い匂いが広がった。チョコを1つ取り出してみた。また白血球の音が聞こえた気がしたけれど、そんなの気にしている暇は無かった。白いチョコはとても軽かった。真っ白なそれをゆっくり口へ運んだ。そしたら一瞬にして甘い味が口全体に広がった。舌の上で溶けて行くのがはっきりと判った。その度に甘い、甘い味がして。私はそれだけで心がいっぱいになった。どんな強力な薬より、煙草より、注射よりも、何よりも私を楽な気持ちにさせてくれた。この白さが私の体中に広がって中和していくのが判った。私の血液がきれいになって行くのが判った。こんな気持ちは何年ぶりだろう。そしてゆっくりと意識が薄れていった。


































※きっと某関西2人組アイドルがCMしている、森●ダー●のホワイトです。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送