ロ  ー に  の  を  せ て 



















「君の優しさを形で表したらしたら一体何の形になるのかな?」


「気持ちなんて言葉にした時点で意味が無くなるわ」


「じゃあ君を好きだってどう伝えればいいの?」


「気持ちなんて伝えるモノじゃないのよ。」


「ふーん…そっか。」


「判ってるくせに。わざと、そうやって私を試すのね。」


「気に障ったなら謝るよ。」


「それに私は貴方に優しくした覚えなんてないわ。」


「それがきっと君の優しさなんだろうね。」


「…意味がわからない。」


「判らなくていいんだよ。気持ちなんて意味がある時点で言葉をなくすんだ。」


「よくそうも簡単に言葉をひねられること。」


「さっき君が言った事を逆から言ってみただけさ。」


「貴方なんて死んでしまえばいいのよ。」


「僕は君より先には死ねないよ。だって君は僕が居ないと寂しがるだろう?」


「知ってる?そういうのを自意識過剰って言うのよ。」


「じゃあこっちからも質問。ひねると言えば…メビウスの輪って知ってる?」


「前に貴方から聞いたわ。表と裏の区別のない不思議な輪ってやつでしょう。」


「そう、でも物理学上は全然不思議なことなんてないんだ。」


「どうして?」


「物理学においては何が不思議であるかがわかれば、その問題の8割は解決する。…ある物理学者の受け売りだけどね。」


「なにそれ。馬鹿馬鹿しい。」


「言葉は伝達手段を目的として人類が生み出したものだろう?だとしたら既に伝わった瞬間に意味など無くしているんだよ。」


「…そんなの判ってるわ。私が言った事じゃない。」


「そうだっけ?」


「私が先に言ったのよ。」


「でも君の言った言葉はもう使用済みだから、僕の言葉のほうが優勢だね。」


「やっぱり貴方なんて死ねばいいのよ。」

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