「ねぇひとつだけお願いしてもいい？」


「何だよ？」


「頭なでて。」


「は？なんでだよ？」


「ううん。やっぱりいい。」


「意味わかんねー。」


「ごめんね。」


「何が？」


「君が今思ってる事にごめんね。」


「別に何も思ってないんだけど。」


「じゃあそれにごめんね。」


「………はぁ？」


「意味がわからないね。」


「（お前がな）」


「じゃあお願いしていい？」


「どうぞ。」


「お前なんて大嫌いって言って。」


「は？」


「お前なんて大嫌いだって言って。飽きるほど言って。」


「どうして？」


「…何回も言ってたら飽きちゃって、もう言いたくなくなるかもしれないから。」


「いや、別に俺お前嫌いじゃないけど。」


「知ってるよ。」


「（なんだか…）何がそんなに心配なんだよ？」


「何がそんなに心配なのか判らないから。」


「…そう。ま、あんまり考えない方がいいんじゃねぇの？」


「うんそうする。」


「（切り替え早）大丈夫だって。」


「うん…もう一回言って。嘘でもいいからもう一回言って。」


「嘘じゃないって、大丈夫。大丈夫。」


「あ！一回でいい！一回で！」


「なんだよ、人がせっかく言ってやってんのに！」


「あまり言っちゃうと、本当に大丈夫じゃない時に言ってくれなくなっちゃう。」