夕日が沈めばシナリオ通りの歌劇の始まり/舞台となった泪の海原に身体を浮かべ/千切れてしまった腕で大きな弧を描きました/壊れた幸せと孤独をこの身で演じました/白黒の夜空を眺めてはあの色を心に刻んで/貝殻を口に頬張りあの甘い痛みを噛み砕きました/濡れた髪を指でなぞり遊んでいました/棺桶の様な船に横たわり思い出を数えていました/貴方の子守唄が聞こえた気がしたのはきっと空耳/悲しみの数だけ傷が膨れ上がり身体が擦り切れました/暗い海の底へ身体を沈め息をしようともがいていました/潮に流され二度と陸などに足が着かぬ所へ/珊瑚に脚を絡めては快楽に溺れていました/飲んでは吐き出す塩水はまるで愛情の様で/私の眼からも愛情が溢れ出て水面に溶けて行きました/溶け切れなかった思いは真珠となり底へ沈みました/永遠に訪れない終焉を私は独り待ち侘びて/声を枯らし失っても血を吐いても歌い続けました/泡になっても息を止めずに独り生き延びていました/どうか/歌劇の終演までは音を立てず席を離れずに
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