階段を上がると
そこはあたしだけの秘密の場所
閉め忘れた窓からの悪戯風
幼い涙と夢を託した楽譜が床に散らばる
あたしは1枚1枚拾いながら
ピアノがオレンジに染まる瞬間を待った
両手広げて息を吸い込むと
世界が自分だけのモノにすら思えた
誰かが忘れた教科書広げて
黒板の落書き、放課後のチャイム一緒に
君の席に座って歌を歌ったよ
伴奏もお客も何もないあたしだけの演奏会
先生に見つからない様に
ぎこちない手つきで弾いたピアノも
あたしと一緒に笑ってくれる
つまらない退屈な授業が終わって
階段を上がればそこは
あたしだけの秘密の場所
世界を独り占めできる秘密の場所
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